10月18日の日経平均は22,492円で値を終えています。前回の8月13日のエントリー時の終値が20,455円でしたので、2,000円程度値を上げていることになります。

ここ最近ブログの更新が滞っておりましたが、特段目新しいニュースもなく、当ブログで予想していた通りに相場は展開しています。つまり、トランプが人為的に貿易戦争などでFRBのパウエルにプレッシャーをかけ、量的緩和に至るということです。

以下のBloombergの記事にあるとおり、FRBがバランスシートの拡大に至っています。

FRB議長、バランスシート拡大再開を表明-量的緩和は否定
 
今回FRBが買い入れ対象としているのはT-Billなどの短期債券です。なぜ、パウエルは2年前には縮小していたバランスシートの拡大を決断したのでしょうか?
それは米国のレポ市場が一時的に異常な高騰をみせたためです。では、なぜレポ市場の混乱は生じたのでしょうか?
以下の記事では、その原因を説明しています。

焦点:米レポ市場の混乱、JPモルガンのBS縮小が一因か

当局に提出された公開資料によると、JPモルガンはFRBの口座に置く超過準備が6月までの1年間に1580億ドル、57%減った。


JPモルガンは昨年末、FRBから引き出した大量の資金で、FRBの利下げ前に高い金利の証券を購入し、アナリストから称賛を浴びた。同行は法人顧客からの急な需要などのためにもキャッシュを必要としている。
つまりは、JPモルガンは今後起きるQE4を予想し、手持ちのCashを米国債に変えてしまったということでしょう。そのため、いざレポ金利が高騰したところで手持ちのCashが無く、流動性を供給することはできなかったということです。

レポ市場混乱は一大事でない、「不況下で起きない限り」-ダイモン氏

  レポ金利が一時10%という記録的水準に上昇し、フェデラルファンド(FF)金利が誘導目標の上限を上回る状況を受け、ニューヨーク連銀はレポ取引を通じて17日に約532億ドル(約5兆7400億円)、18日には750億ドル(約8兆1000億円)の資金を市場に供給し、金利の沈静化に動いた。

  ダイモン氏は「銀行は極めて大量の流動性を保有しているが、流動性を利用する上での制約も非常に大きい。連邦準備制度は、まさに適切な対応を行ったとわれわれは考えている」と述べた。

そしてJPモルガンCEOは、「流動性を利用する上での制約も非常に大きい」と自行のBSに計上されている債券を売却してまで短期資金の供給をしないことを暗に示唆をしています。なお、ここで述べている制約とはCapital規制の事で、長期債券には相応の積立金を積む必要があることを述べているはずです。

かつてアベノミクスで発生したこと

アベノミクス相場で思い出すのは、大量に国債を保有する都銀等の金融機関の業績が急速に伸びたことです。市場を通じて、日銀が金融機関が安値で買った国債を高値で買い取ったのです。そうすると金融機関はお金が儲かるのと同時に国債以外の投資先を探さなければなりません。
つまり、今回のJPモルガンCEOのコメントは「FRBがQE4を再開して我々の国債を買い取るまでは短期流動性を供給しない」ということを示唆しているということです。

今回のバランスシート拡大はQEとは異なるか?

今回のバランスシート拡大措置に関して、FRB議長のパウエル氏はQEとは異なると述べています。
この点に関しては諸説があるようですが、私も明確に異なると思っています。なぜなら、QEは長期国債などのアセットを購入対象としていますので。
T-Billなどの短期資産は、遥かに出口戦略も描きやすく、質的に異なるものだと思っています。また、短期資産を買い入れたところで強欲な金融機関は大して儲かりません!長期国債などのアセット買入こそ金融機関に数兆円単位の利益をもたらすのです!

結局FRBはQE4をせざる得ない

今回のバランスシート拡大はQEとは異なり、バブルを起こすほどの措置ではないと思いますが、結局は以下の理由から、FRBは近々長期国債などの資産の買入、つまり本当のQEの再開をせざる得なくなるでしょう。

なぜなら、

・銀行のBSに眠る長期国債を買い入れるまでレポ市場に資金は戻ってこない。
・あるいは、短期金利の利回り低下が長期金利に波及し、銀行のBSに眠る長期国債が掃けるまでレポ市場に資金は戻ってこない。しかし、資金の出し手はFRBしかいない。

量的緩和に対して、トランプ大統領が独断でFRBにプレッシャーをかけていましたが、世界一の金融機関であるJPモルガンが露骨にプレッシャーをかけるというのはまるで喜劇を見ているようです。

バブルの発生の後には暴落が待っている

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